LenovoとThinkPadのグラボ搭載ノートの選び方｜性能・価格・用途で比較

この記事では、LenovoとThinkPadのグラボ搭載PCをわかりやすく整理し、用途別に最適なモデルを選べるように解説します。

動画編集・3DCG・CAD・AI処理・ゲームなど、作業内容ごとに必要なGPU性能もまとめて紹介します。

機種の違い、シリーズごとの特徴、価格帯の判断基準まで丁寧に解説するため、初めて購入する方でも迷わず選べるようになります。

公式サイト：https://www.lenovo.com/

Lenovoグラボ搭載モデルを選ぶ前に知っておきたい基礎知識

lenovoのグラフィックボード搭載ノートPCを選ぶ際は、GPU性能だけでなく、CPUとのバランスや用途に対するスペック適性を理解しておくことが重要です。

グラボ搭載ノートの基本性能

グラフィックボード搭載ノートPCは、画像処理や動画編集、ゲーム、3DCGなどの重い処理を高速に行える点が最大の特徴です。

特に、NVIDIAのRTXシリーズは各世代で性能が大きく向上しており、選ぶGPUによって作業快適性が大きく変わります。

代表的なGPUの構成を簡単に比較すると、以下のようになります。

さらに、Lenovo公式PSREFではRTX 4060や4070が最大140WのTGP構成に対応しており、同じGPUでもTGPが高いほど処理性能を引き出しやすくなります。

性能を最大限引き出したい場合は、GPUスペックだけでなく、TGPや冷却性能も確認することが重要です。

CPUとGPUのバランス

ノートPCの処理速度はGPUだけでなく、CPUの能力によっても左右されます。

GPU性能が高くても、CPU性能が不足していると全体のボトルネックとなり、期待した性能を得られません。

特に動画編集・3DCG・CADでは次の要素が重要になります。

• CPUの世代（Core i7以上、Ryzen 7以上が望ましい）
• コア数・スレッド数
• 高クロックのPコア性能
• メモリ容量（最低16GB、推奨32GB以上）

LenovoのLegionシリーズやIdeaPad Gamingでは、RTX 5060以上のGPUとCore i7/ Ryzen 7などの強力なCPUが組み合わされているモデルが多く、均衡の取れた構成が選びやすい点が特徴です。

ThinkPadシリーズでは、ビジネスユースを前提に堅牢性や拡張性を重視しつつ、必要な場合のみRTX Ada世代GPUを搭載できるよう設計されています。

用途に応じて「CPUとGPUの比率」を考えることで、より効率良く性能を活かせる構成を選べます。

用途別に必要なGPU性能

求める性能は用途によって大きく異なります。

GPUの選び方を誤ると、作業中にカクつきや処理待ちが発生しやすくなるため、最初に用途を明確にしておくことが重要です。

用途別の推奨GPUは以下の通りです。

予算に応じてGPUのランクを調整しつつ、「どの作業を最も重視するか」を基準に選ぶことが成果につながります。

レノボ製品ラインの違い

Lenovoは用途に応じて複数のシリーズを用意しており、GPU搭載の有無や性能レベルがそれぞれ異なります。

シリーズごとの特徴を理解すると、最も適した構成が選びやすくなります。

主要ラインの違いは次の通りです。

Lenovoグラボ搭載パソコンの種類と特徴を比較

Lenovoのグラボ搭載ノートPCは、シリーズごとに性能・価格・設計コンセプトが大きく異なります。

Legionシリーズの特徴

Legionシリーズは、LenovoのゲーミングPCラインの中でも中心的なシリーズで、強力なGPUと冷却性能を備えています。

高負荷のゲームや動画編集、3DCG制作などを想定した設計で、グラフィック性能を重視するユーザーに向いています。

Legionの特徴は次のとおりです。

Legionシリーズは総じて「高性能GPU＋安定した冷却」が特徴で、GPUの実力をしっかり引き出したいユーザーに適したシリーズです。

IdeaPadシリーズの特徴

IdeaPadシリーズは、Legionシリーズよりも価格帯が抑えられ、エントリー〜ミドルレンジの性能を求めるユーザーに人気があります。

必要十分なGPU性能を備えつつ、コスト面を重視したい人に向いています。

主な特徴は次のとおりです。

IdeaPad Gamingシリーズは「必要な性能は欲しいが、価格は抑えたい」というユーザーのニーズに合致するシリーズです。

Yoga／ThinkBookでのGPU搭載傾向

YogaやThinkBookは基本的にビジネス・一般用途向けのシリーズで、GPU非搭載モデルが多く、軽量性やバッテリー駆動時間、デザイン性を重視しています。

しかし、近年は一部モデルでRTX GPUを搭載する構成も見られ、GPU性能が必要なビジネスユースにも対応できるようになってきています。

シリーズの傾向は次のとおりです。

• Yoga：2-in-1構造・タッチ対応が特徴。GPU搭載は限定的
• ThinkBook：ビジネス寄りで、軽量性＋性能のバランスを重視
• 一部上位モデルのみRTX 5050/5060搭載構成が存在

グラボ搭載モデルを前提とする場合は、YogaやThinkBookよりも、Legion・IdeaPad・ThinkPad Pシリーズの方が選択の幅が広い傾向があります。

価格帯別の選択ポイント

lenovoのグラボ搭載ノートは価格帯が広いため、予算に応じて適したGPUやシリーズが変わります。

価格と性能のバランスを判断するうえで、次の目安が参考になります。

ThinkPadグラボ搭載モデルの特徴と選び方

ThinkPadシリーズは、ビジネス用途やプロフェッショナル向けに設計されており、安定性・堅牢性・キーボード品質などが高く評価されています。

ThinkPad Pシリーズの特徴

ThinkPad Pシリーズは、モバイルワークステーションとして位置づけられ、プロ向けアプリケーションの利用を前提に設計されています。

ISV認証（Autodesk、Siemens、Adobe など）を取得しているため、業務で利用するソフトウェアの動作保証が確保されやすく、信頼性の高い作業環境を構築できます。

Pシリーズの主な特徴は次のとおりです。

Pシリーズは、用途に応じて軽量モデルから高性能モデルまで選べる柔軟性があり、ビジネス利用だけでなく、クリエイティブ・開発用途にも適した選択肢が揃っています。

ThinkPad T／XシリーズでのGPU搭載状況

ThinkPad TシリーズとXシリーズは、一般的なビジネス向けノートとして設計されており、軽量・堅牢・長時間バッテリーを重視しています。

このため、基本的には内蔵GPU（Intel Iris Xe / Intel Arc / AMD Radeon）が中心で、専用GPUを搭載する構成は限定的です。

シリーズの主要な特徴は次のとおりです。

ただし、過去世代ではT14（AMD）などで専用GPUを搭載した例もありましたが、現在主流の2024〜2025年モデルは「軽量性」「省電力性」を優先し、ディスクリートGPU搭載機はほとんど存在しません。

GPU性能が必要な場合は、T/Xシリーズではなく、Pシリーズを選ぶことが推奨されます。

RTX Ada／RTX Proの性能差

ThinkPad Pシリーズには、NVIDIAの「RTX Ada世代」と「RTX Pro GPU」が選択できるモデルがあります。

どちらもプロフェッショナル用途を想定したGPUであり、クリエイターやエンジニア向けの最適化が施されています。

両者の主な違いは次のとおりです。

一般的なクリエイター用途であればRTX Adaで十分ですが、CADやシミュレーションなど企業向けアプリを使用する場合は、RTX Proが適しています。

ワークステーション用途の注意点

ThinkPad Pシリーズはワークステーションとして高い性能を備えていますが、選ぶ際にはいくつか注意すべきポイントがあります。

主な注意事項は次のとおりです。

• 重量が増える傾向がある（P16/P16vは2kg後半〜）
• 電源アダプタも大型化しやすいため携帯性は要チェック
• セール価格で構成が大きく変動する（タイミングが重要）
• メモリは大容量推奨（32GB以上が3D CAD・AIでは有効）
• ISV認証の有無を事前に確認しておくと安心

Lenovoグラボ搭載おすすめモデルを用途別に紹介

動画編集や3DCG、AI用途など、求める性能は大きく違うため、用途別に最適なモデルと構成を整理します。

動画編集向けのおすすめ構成

動画編集では、GPUによるエンコード支援（NVENC）が非常に有効で、作業時間の短縮に直結します。

とくに4K編集ではGPU性能が大きく影響するため、一定以上のGPU性能が必要です。

動画編集で重視すべきポイントは次のとおりです。

特にLegion Pro 5は冷却性能に優れ、長時間の書き出し作業でも安定した性能を維持できる点が強みです。

3DCG／CAD向けのおすすめ構成

3DCG制作や3D CADでは、GPU性能が作業効率に直結します。

複雑なモデリングやレンダリングを行う場合は、RTX 4060以上の性能が求められ、可能であれば上位GPUを搭載したモデルが適しています。

選定ポイントは次のとおりです。

より専門性が高い3D CAD用途では、ThinkPad PシリーズのRTX Ada GPUが最適ですが、lenovo全体で見るとLegion Proシリーズが最もバランスよく性能を発揮します。

ゲーミング向けのおすすめ構成

ゲーミング用途では、GPU性能だけでなくディスプレイのリフレッシュレートや冷却性能も重要です。

Legionシリーズはこれらを高いレベルで両立しているため、ゲーム用途との相性が良いシリーズです。

選定ポイントは次のとおりです。

特にLegion Pro 5は、ゲームとクリエイティブ作業の両方に対応しやすい万能モデルとして評価されています。

AI・機械学習向けの構成

AI・機械学習用途では、GPUのTensorコア性能とVRAM容量が重要です。

ローカルでモデルを動かす場合、RTX 5060以上が現実的な選択肢になります。さらに、大規模モデルの学習にはVRAM容量が多い上位GPUが必要です。

選ぶ際のポイントは次のとおりです。

ThinkPadグラボ搭載おすすめモデルを用途別に厳選

ThinkPadシリーズは、ビジネス用途だけでなく、3D CAD、BIM、動画編集、AI開発など高度な処理を必要とするユーザーにも選ばれています。

ThinkPad P1のおすすめ構成

ThinkPad P1は薄型かつ高性能なモバイルワークステーションで、持ち運びやすさとGPU性能を両立したモデルです。

Pシリーズのなかでも特にクリエイターやモバイルエンジニアからの評価が高く、「性能・軽さ・表示品質」がバランスよくまとまっています。

選ばれる理由は次のとおりです。

P1は「薄型×高性能」を求めるユーザーに特に適したモデルです。

ThinkPad P14s／P16sのおすすめ構成

P14sとP16sは、軽量で持ち運びやすいビジネス向けワークステーションでありながらRTX Ada世代GPUを搭載できる点が特徴です。

Pシリーズの中では「軽さと性能のバランス」に優れており、外出先で作業したいユーザーから支持されています。

モデルの特徴を整理すると次のようになります。

P14s／P16sは「毎日持ち運ぶがGPUも必要」というユーザーに適した選択肢です。

ThinkPad P16／P16vのおすすめ構成

P16およびP16vは、ThinkPad Pシリーズの中でも特に高性能を重視したモデルです。

大型筐体による優れた冷却性能と、高TGP GPUへの対応により、大規模なプロジェクトにも適したワークステーション性能を備えています。

P16／P16vの主な強みは次のとおりです。

P16／P16vは「完全にプロ向け」のワークステーションとして位置づけられ、法人利用・研究用途・高負荷のクリエイティブ用途に特に向いています。

軽量・モビリティ重視の選択肢

GPU搭載ThinkPadの中で、携帯性を最重視する場合はP1またはP14sが最適です。

重量を抑えつつ、必要十分なGPU性能を確保できるため、外出先で負荷の高い作業を行うユーザーに選ばれています。

軽量・持ち運び重視で比較すると、以下のようになります。

Lenovoグラボ搭載PCとThinkPadグラボ搭載PCの違い

lenovoのグラボ搭載ノートPCには「Legion・IdeaPad Gaming」などの一般向けモデルと、「ThinkPad Pシリーズ」に代表されるプロフェッショナル向けモデルが存在します。

設計思想の違い

lenovoの一般向けグラボ搭載ノートとThinkPadのグラボ搭載モデルでは、まず「設計思想」が大きく異なります。

一般向け（Legion・IdeaPad Gaming）は次のような設計思想です。

一方、ThinkPad（主にPシリーズ）はプロフェッショナル仕様で、次の特徴があります。

両者は同じlenovo製でも、利用目的と性能設計が明確に異なっています。

耐久性・堅牢性の比較

ThinkPadシリーズは企業導入を前提としているため、耐久性に関してlenovoの一般向けモデルとは大きく差があります。

耐久性の比較をまとめると次のとおりです。

Pシリーズは「長期間の安定運用」が求められるワークステーションとして設計されており、耐久性を重視したい場合に適した選択肢です。

価格とコスパの違い

一般向けのLenovoグラボ搭載PCとThinkPadグラボ搭載PCでは、価格体系も異なります。

一般モデルは次のような価格傾向です。

一方のThinkPad Pシリーズはプロ向け構成のため、次の傾向があります。

単純なGPU性能コスパではLegionが優れますが、「業務で使う信頼性」を求める場合はThinkPadの方が適しています。

向いているユーザー

両者の特徴を踏まえると、向いているユーザー像は明確に分かれます。

一般向けのlenovoグラボ搭載モデルが向いているのは次のタイプです。

一方、ThinkPadグラボ搭載モデル（主にPシリーズ）が向いているのは次のタイプです。

Lenovoグラボ搭載ノートを購入する前の注意点

lenovoのグラボ搭載ノートPCを選ぶ際には、性能だけでなく「使い勝手」「運用環境」「将来性」なども考慮する必要があります。

冷却性能とファン音

グラフィックボードを搭載したノートPCは、負荷が高くなるほど熱が発生し、冷却性能が安定性に大きく影響します。

冷却設計が十分でない場合、性能が低下したり（サーマルスロットリング）、ファン音が大きくなったりする可能性があります。

確認しておきたいポイントは次のとおりです。

Legionシリーズは冷却性能に優れ、高いTGP構成にも対応している一方、IdeaPad Gamingは静音性よりもコストを優先した設計の場合があります。用途に応じた冷却力を確認することが重要です。

メモリ・ストレージの拡張性

動画編集や3DCGなどプロ用途では、メモリやストレージ容量が作業効率に直結します。

購入時は十分な容量を確保しておくか、後から増設できる構造かどうかを確認する必要があります。

チェックしておきたい項目は次のとおりです。

特にIdeaPad Gamingはメモリがオンボードのモデルもあり、後から増設できない場合があります。

長く使うなら、LegionまたはThinkPad Pシリーズの拡張性の高いモデルがおすすめです。

バッテリー駆動時間

グラボ搭載ノートPCは、GPUの消費電力が大きいため、一般的な薄型ノートに比べてバッテリー駆動時間が短い傾向があります。

外出先での作業が多い場合は、この点を事前に理解しておく必要があります。

シリーズ別の傾向は次のとおりです。

モバイル利用が多い場合は、P1・P14s・P16sなどの軽量Pシリーズを選ぶと、GPU搭載ながら比較的長いバッテリー駆動が得られます。

公式ストアの割引と保証

lenovoのノートPCは公式サイトで大幅な割引が適用されることが多く、購入時期によって価格が大きく変動します。

とくに大型セール（週末セール・決算セール・ブラックフライデー）では、数万円レベルで変わることも珍しくありません。

購入前に確認すべきポイントは次のとおりです。

まとめ：LenovoとThinkPadのグラボ搭載ノートのポイント

LenovoとThinkPadのグラボ搭載ノートPCは、シリーズごとに設計思想や性能が大きく異なります。

価格重視でGPU性能を確保したい場合はLegionやIdeaPad Gamingが適しており、ゲームや動画編集など幅広い用途に対応できます。

一方、業務用ソフトの安定性やISV認証が必要な場合は、ThinkPad Pシリーズが最適で、CAD・BIM・3DCGなど専門用途に強みがあります。

また、用途ごとに必要なGPU性能は異なるため、動画編集・3DCG・AI・ゲームといった作業内容を明確にしたうえで選ぶことが重要です。

冷却性能やメモリ容量、ストレージ拡張性など、快適に使うためのポイントもあわせて確認しておくと、購入後の満足度が高まります。

本記事の内容を参考に、自分の用途に最適な1台を選び、快適な作業環境を手に入れてください。

公式サイト：https://www.lenovo.com/